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耳より情報・金庫あれこれ

火事にも負けない耐火金庫の選び方について

耐火性能に重点を置いて作られた金庫のことを「耐火金庫」と呼びますが、信頼できる耐火金庫を選ぶためには、何を基準にすれば良いのかご存知でしょうか? 今回は、耐火金庫の特徴や、耐火金庫を選ぶ際のキーとなる「ULマーク」や「JISマーク」の表示制度について解説します。

「耐火金庫」って何?


まず大前提として、金庫には「耐火金庫」と「防盗金庫」の2種類があります。

耐火金庫

耐火金庫は、火災対策の性能を持っている金庫です。日本国内の規格としてはJIS(日本工業規格)がありますが、他にもアメリカに本拠地を置く独立製品安全認証機関であるUnderwriters Laboratories Inc.(UL)が製品の安全性を認証したものやKS(韓国産業規格)などによって、耐火性能の基準が定められています。

防盗金庫

防盗金庫は、耐火性能に加えて、盗難対策の性能も持っている金庫です。日セフ連(日本セーフ・ファニチュア協同組合連合会)によって、防盗性能試験の基準が決められています。

金庫というと、泥棒に金品を盗まれないようにするものというイメージがあるかもしれませんが、実際には「耐火性能と防盗性能を有するもの」のことを指します。
ここでは、「防盗性能よりも耐火性能に重点を置く」耐火金庫を取り上げます。

JISマーク表示制度とは?


JISマーク表示制度とは、個々の製品の品質を保証する、第三者認証制度のことです。
国に登録された機関(登録認証機関)から認証を受けた事業者(認証製造業者等)は、認証を受けた製品またはその包装などに、JISマークを表示することができます。認証は、製品のサンプリングによる製品試験と、品質管理体制を審査することによって行われます。

JISマークは現在、さまざまな鉱工業品に表示されていますが(金庫もそのひとつです)、これはその製品がJISの基準を満たしているJIS認証製品であることを意味します。JISマークにより、企業間の取引が単純化されるほか、製品の互換性、安全性および公共性が保たれます。また消費者にとっては、購買の際の指標として利用することができるでしょう。

耐火性能のJIS規格について


JIS認証による耐火金庫には、「0.5時間耐火型」、「1時間耐火型」、「2時間耐火型」、「3時間耐火型」、「4時間耐火型」の5種類があります。これは、どれくらいの時間の火災に耐えられるのかを示しており、耐火時間が長いほど、金庫内に保管されたものの焼失を防ぐことができる可能性が高いでしょう。

金庫の耐火性能については、第三者の登録認証機関である財団法人建材試験センターなどが、「製造工場の品質管理体制の審査」と「製品のJIS適合性の評価試験」を行います。下記のすべての項目に適合し、性能、品質が共に認められた製品が、JISマーク表示の認証を受けられます。
自社でJIS規格と同等の内容で試験実施をしただけの製品は、JISマークを製品に表示することはできないという点にご注意ください。

生産工場の品質管理体制

「製造の管理」、「資材の管理(原材料の管理)」、「設備の管理」、「外注の管理」、「苦情の管理」について社内規定を具体的に規定し、これに基づいて適切に実施していることを審査します。

製品の規格適合性試験

日本工業規格「耐火金庫」JIS S 1037:2013に定める全試験項目を、指定工場で製造された量産製品から、サンプルを抽出して実施します。
試験項目は、主に以下となっています。

  • 強度試験……棚板への荷重、扉への負荷、引き出しの強度
  • 耐繰り返し試験……扉または引き出しの開閉耐繰り返し
  • 安定性試験……本体の前倒れ
  • 塗膜の防錆試験……鋼板試験片のサビ
  • 塗膜の付着性試験……試験片塗膜のはがれ
  • 金属部めっき厚さ試験……試験片めっきの厚さ
  • 標準加熱試験……0℃から1090℃までの加熱(2時間耐火性能の場合)
  • 対破壊性能試験……扉のこじ開け破壊


上記のうち「標準加熱試験」は、徐々に燃え広がる火災を想定したもので、以下の1~4の流れで試験を実施します。

  1. 金庫の壁面に新聞紙を貼り付け、軽く揉んだ新聞紙を入れる
  2. 金庫を炉内に入れ、「JIS標準温度曲線」に従って炉内の温度を加熱し、金庫内の温度を測定する
  3. 各規定時間で加熱をやめ、炉内で自然放冷する
  4. 金庫内の新聞紙の状態を確認する


UL試験規格について


JIS以外に知られている規格としては、アメリカ保険業者安全試験所が策定している米国UL試験規格があります。

米国UL試験規格の「UL 耐火試験」では、JISの「標準加熱試験」と同等の試験を行った上で、さらに爆発試験を受ける必要があります。試験内容は、あらかじめ1093度まで加熱した炉に製品を素早く入れ、炉内で30分焼却(1時間耐火製品の場合)した結果、金庫内の温度が177度以下(通常の耐火金庫の場合)であれば合格となります。

ULの基準は、総じてJISよりも厳しい傾向にありますが、近年、その差は縮まっていると言われています。


耐火金庫とその性能内容について、お分かりいただけたでしょうか。耐火金庫を選ぶ際には、その製品にどのような耐火性能が備わっているか、どのような規格によって認証された製品であるかどうかを確認してみてください。